さんがつにじゅうろくにち。

正月前に小学中学の五年間ほどお世話になっていた英会話の先生からメールが久しぶりに来ていて返事を出そう出そうと思いながら出さなかった。明日でいいやという面倒事に対しての決まりの文句だ。
それでも忘れたくなかったので今日まで忘れなかったし、彼は地元でバーを数年前に開いていて行けば会える、だから近くまで行ったときに直接会ってしまおうと思っていた。行ってあの店で彼と彼の日本人の奥さんと二人のお子さんに久々に会っている自分を何度かイメージして、何を話すだろうかというところで想像力が止まるのだが、それでも行こうと思うので俺は彼のことが好きなのだ。多分に美化しているところがある気もするがそれでいいと思っている。


今日行ったら店がなくなっていた。
もう手段としてはメールしかなくなってしまったわけだ。メールを出せばいいのだが、なんだかな、ここまで置き去りにしたものを、置き去りにしたものなら、もうそのままにしてしまおうかとも思う。自分でも理由はよくわからない。考えていないだけかもしれない。面倒だと思っているのは間違いない。そして思い出作りとして消費したくもないのだ。


美しい思い出を作るのが嫌だ。そんなの俺のじゃない。