2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧
国家、私企業、組合など社会生活の全般にわたる官僚制化の進行という認識を機軸に、大衆民主主義の進展とそこにみられる特有の社会心理的諸現象、とくにその病理的徴候の認識をくみあわせて成立したのが、その後における大衆社会論だといってよい(p308) …
清水幾太郎 『社会心理学』(岩波書店、1951年) 「大衆」 分化、拡大、機械化という「近代的人間の本質ないし原理」の見地に立てば、本来的には個人から社会まで到るところに合理性が保証されるはずだが、実際には次の三つの側面を、社会のピラミッドの底辺…
「大衆社会」 「大衆」が恒常的に表舞台にでた社会のこと。 一部の名望家(古典的西欧市民社会の「市民」含む)だけでなく、貧しい労働者や商人、および地方の小農民などからなる「大衆」が、国民国家の公民としての資格を与えられてその社会の実質的な成員…
現在の論文進捗状況 読んだ本:10冊(6/28〜)清水幾太郎『社会心理学』(岩波書店、1951年)西村勝彦『大衆社会論』(誠信書房、1969年(新訂版。旧版1958年))真田是『現代社会学と社会問題』(青木書店、1965年)後藤道夫『収縮する日本型<大衆社会>…
後藤道夫批判を通じて最新の大衆社会論の可能性を探っては? 後藤道夫に何が足りないのか? 後藤は新自由主義をどう位置づけているか? どこに新自由主義批判の足場をもっているか? 後藤道夫の枠組みをどう生かしうるのか? 後藤の論に賛成、では論文になら…
元来、massあるいはmass societyという概念は、十九世紀ヨーロッパの知的伝統の下で登場した概念で、明らかに負の価値を背負っている。このような負の概念としての側面を厳しくとり出して分析を構築したのが、最近の西部邁氏の一連の労作で、私の知るかぎり…