2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

杉山光信「大衆社会」『岩波哲学・思想事典』(岩波書店、1998年)

今日では大衆社会論はさまざまに批判され過去のものとなっている。たとえば戦前のドイツ社会について中間集団や媒介組織が弱体であったとされるが、ファシズム運動がそれほど広まらなかったフランスよりもそれらは強固であったなど、事実との不一致が指摘さ…

各論者のまとめ2

清水幾太郎 『社会心理学』(岩波書店、1951年) 「大衆」 出自 (「誰が大衆となるのか」は不明) 特徴 共同体の崩壊により情緒的に満たされず、孤独・不安・無力という心理に衝き動かされる マスメディアにより操作される(マスメディアへの批判能力に欠け…

松下圭一『現代政治の条件』(中央公論社、1959年)

20世紀における欧米資本主義の独占段階への移行は、「経済」における資本構成上の高度化のみならず、この高度化の前提をなす生産の社会化を基礎として、「社会」の形態変化をもたらした(p10) 生産の社会化を基礎とする資本主義の産業資本段階より独占資本…