2008-10-09 各論者のまとめ2 まとめ 清水幾太郎 『社会心理学』(岩波書店、1951年) 「大衆」 出自 (「誰が大衆となるのか」は不明) 特徴 共同体の崩壊により情緒的に満たされず、孤独・不安・無力という心理に衝き動かされる マスメディアにより操作される(マスメディアへの批判能力に欠ける) 官僚制により権力から疎外され抑圧されている 上記傾向により国家への逃避=全体主義化を招きがちである 上中流層は含まない 対応 階級闘争(階級もまた人々が逃避する場所としての意味を含むが、同時に、現代社会の分裂への積極的適応としての意義をも含んでいることが重要である(p132)、社会主義は人間を自己分裂から救って、これに新しい統一を付与するものであると言わねばならない(p133)) 西村勝彦 『大衆社会論』(誠信書房、1969年(新訂版。旧版1958年)) 「大衆」 出自 次の1と2を含む。 教育の普及と選挙権の拡大によって体制内に包摂された、それまで体制外的な存在であった人々。彼らは異なる諸地域から流入した互いに異質な人間である。 ブルジョア公衆から没落して編入された中間層。 特徴 共同体の崩壊により情緒的に満たされず、孤独・不安・無力という心理に衝き動かされる 官僚制により権力から疎外され抑圧されている アノミー そのときどきの刺激や感情で行動するような情緒的な存在である 対応 自主的な集団への再編成 辻村明 『大衆社会と社会主義社会』(東京大学出版会、1967) 「大衆」 出自 (不明) 特徴 - 後藤道夫 『収縮する日本型<大衆社会>─経済グローバリズムと国民の分裂』(旬報社、2001年) 「大衆」 出自 名望家(古典的西欧市民社会の「市民」含む)から貧しい労働者や商人、および地方の小農民などからなる。 特徴 国民国家の公民としての資格を与えられた、その社会の実質的な成員である 社会全体の経済的・政治的・文化的状況に第一義的影響を与える 山田竜作 (途中)