じーさんの17回忌だった。

久々にあった親戚と法事*1のあとで食事に行った。
酔った親戚のおじさんに言われた。
「最近の若者は積極性がない。もっとガツガツ積極的にならないと」


ごもっともかとも思うんですが、積極的になる対象が、というか、積極的になった先に何か良いものが待ってるイメージが全く持てない、という状況なんじゃねーの……。
俺らさー、せいぜい所有欲と性欲と小規模なコミュニティでのちゃちな承認欲求くらいしか満たされないんだよ。
おっちゃんはお会社で褒められていい女抱けて家族がそこそこ安泰ならそれで良かったんじゃないかと思うんだけど、俺らの平凡な絶望の前では、それじゃあ、ねぇ。
せいぜいの逃げ道が愛なんだけど、最近はこれも、ただの聖化なような気がしてきて、ちょっと怪しい。
そんなこと考えるようになりたくなかったけど、ねえ、もしかして、そんなに特別なもんでもないんじゃない、これ……。


そこに何も感じないわけはなく、もちろん満たされるんだけど、
ふーん、だから何なんだよ?
だから何?


あのさー、だから何?

*1:法事は法施・事施の略で、ご先祖様仏様に念仏と供え物をすることなんだってさ。坊さんてのはやっぱ話が上手いんだわ。宗教の強度はこういう「ごく当たり前の道徳であるがゆえの」っていうところに支えられてるように思う。俺は無神論者だからまあ根本的には話合わないんだけど